活動成果

COIプロジェクト 2017シンポジウム「高齢者が自律的な経済活動を安心して行うために医療、介護、法律、金融、民間企業の連携を通して」

2017年03月17日講演・シンポジウム

2016年10月28日(金)に、COIプロジェクト「真の社会イノベーションを実現する革新的『健やか力』創造拠点」開催シンポジウム「高齢者が自律的な経済活動を安心して行うために医療、介護、法律、金融、民間企業の連携を通して」が、DNP五反田ビル 1階ホールで行われました。研究者、ビジネスマン・医療福祉関係等を交えて約70名の参加者と、活発な議論が行われました。

このシンポジウムは、少子高齢化に伴い、高齢者の方が地域で安全に暮らせる社会の実現が望まれている現在、医学、介護、法学における実務の専門家、金融機関、民間企業が一堂に会して、高齢者の方々が自律的な経済活動を安心して行うためには、どのように地域における相互理解と連携を深めていくべきか考える事を目的に開催されました。


シンポジウムは、下記プログラムで開催されました。
■基調講演
「高齢者が自律的な経済活動を行うために:成年後見制度の現状と課題」小賀野 晶一様(中央大学)写真
■第1部講演
「高齢者が経験しやすい経済的トラブル事例:医学、高齢者福祉・介護、法律の立場から考える」を三村 將様(慶應義塾大学)、上林 里佳様(一般社団法人京都社会福祉士会)、椎名 基晴様(椎名法律事務所)写真 「高齢者の経済活動を支えるための地域包括支援センターとの連携」片上 孝清様 (京都銀行)
「高齢者の経済活動を支えるための金融的支援について」金井 司様(三井住友信託銀行)
「高齢者の自律的な自宅生活を支援する企業の取り組みの可能性」奥村 政彦様(セコム㈱)
■第2部パネルディスカッション
「高齢者が安心して暮らせる社会の実現に向けて」
【パネリスト】上林 里佳様、椎名 基晴様、片上 孝清様、金井 司様、奥村 政彦様、奥村 太作様(㈱ベネッセスタイルケア)、中根 祐二様(大日本印刷㈱)、大庭 輝様(京都府立医科大学大学院)写真
参加者アンケートでは、
  • 認知症という課題に対し多くのソリューションが具体化されてきていることを実感できた。様々な企業や団体がシナジー効果を生み発展していくことを願う。
  • 学術的な視点が企業の直面している問題までの流れを考慮しており、現実問題への対処を目標とすることがよく分かった。
  • 自身の研究活動の範囲外で同じ社会的課題に取り組む多様な機関の方々の話を聞く事ができ参考になった。
等の感想を頂きました。写真

興味を持った内容として
  • 政府主導の立法的施策ではない、現実の問題からの対策を考えるというスタンスはもちろんのこと企業自体が様々な対策をしていることについてのアピール自体にも発展性を感じた。
  • 「連携の必要性」「支援の広がり」自社のビジネスに限らず様々な専門家と一緒に作りあげないと解決が難しい課題であると改めて認識。
  • 京都銀行様の地域包括センターや自治体との連携。DNP様の小口決済(キャッシュレス)についての取り組み。
  • 「認知症」という社会課題をCOIで実証されている点。
などのご意見を頂きました。
プロジェクトに期待することとして
  • 社会的に大変意義のある考察、取り組みなので、一般市民にもわかりやすくレクチャーしてほしい。
  • 一律的マニュアル的には対処しづらい認知症施策には、そのような方法でも一定の効果や早期の対処が必要であると思うので、これから認知症になる人々を安心して社会の中で生活が出来るように導くシステムに期待しています。
  • 立場を越えながら/越えた形での包括的な意思決定支援のあり方の提示。
  • 例えば、金融庁が認めるような、高齢者にとって不利でないよう経済が成り立つため、マニュアルやサービスを作成してほしい。
  • 更に高齢者が安全に生活できる社会構築の推進。
などのご意見を頂きました。
今回のシンポジウムは、「高齢者が自律的な経済活動を安心して行うために医療、介護、法律、金融、民間企業の連携を通して」のテーマ通りの、各分野が連携して社会課題を解決していく可能性を実感させられるものでした。
最後に、今回のシンポジウム会場の協力をいただいた、大日本印刷㈱様に感謝を申し上げます。